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2017年8月31日木曜日

昔の人は共感がしにくい:『第五惑星から来た4人』マレー・ラインスター 1959年|今日のSF


『第五惑星から来た4人』マレー・ラインスターである。1959年に書かれたもので、さすがに内容が古い。

科学技術などが古いのは当たり前なのでかまわないのだが、困るのは大衆娯楽作品だと、主人公たちのものの考え方が古いことが多いことだ。

これも冷戦時代の作品で米ソ対立の影響が色濃く出ている。それはいいのだが、未来から子供たちの乗った宇宙船が地球に不時着してしまうのである。それで、自分の星に連絡をしようとするのだが、その時、主人公がとった行動は何か?
 
高度な科学技術をもった文明と今の地球が接触すると地球文明が滅んでしまう、と無線機を叩き壊して、彼らを帰れなくさせてしまうのである。いやあ、まったく主人公の行動に共感ができない。娯楽小説の主人公のくせに、子供たちに同情はないのか。

始まりがこうなので、その後、子供たちとの友情や共感がなにも生まれない。このへんをETみたくベタベタな甘い展開にして、未来の子供たちと強い友情ができて、否定的な軍部と対立して守る、というような展開にしたら、ベタすぎてうんざりはするが、現代でも通じるものにはなっていたと思う。そういう意味では硬派な作品とも言えるのだが、まあ、普通に出来が悪い。

米ソ対立に翻弄されている軍人を揶揄するような描写も出てくるのだが、主人公たちの行動も視野が狭くどっこいどっこいなので、彼らを揶揄することはできないと思う。

マレー・ラインスターはレトロな雰囲気もあるので、そういう面白さが出ても良さそうなのだが、なかなかそういう風にはならない。マレー・ラインスターは当時のSF作家の中でも大ベテランで、世代的にはむしろエドガー・ライス・バローズと同じになるんじゃないかな。そう考えると物の考え方が古いのも当然であろう。人間の倫理観は、決して普遍的な物ではなく、思ったより変化していく物だと思う。

しかし、1959年頃でも、今でも読める作品を書いてる人はいるので、この人はそうではなかったということだろう。

こんな感じで古いSFをいくつかまとめて読んでみる苦行に挑んでみる。





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