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2016年10月27日木曜日

猫探偵ジャック&クレオ:ギルバート・モリス|読書


猫探偵ジャック&クレオ:ギルバート・モリスである。

ちらっと見たら猫やペットの動物達が会話をしているシーンがあったので、猫が主役で探偵をするかと思ったら、ほとんど出てこない。主人公を犯人の元に導くくらいの活躍しかしていない。

見ての通りあまり期待するような本ではないが、ほんわかした雰囲気が味わえるといいと思ったが、これがどうもうまくいかない。

全体的には悪くはないのだが、ところどころ、いちいち引っかかる箇所が出てくる。主人公の彼は、料理が趣味のロハスな男という設定なのだが、主人公の女性がパックのオレンジジュースを飲んでいると『そんなのは体に良くない』と、 取り上げて紙パックごと捨ててしまう。そして自分で有機野菜の果物を絞ってその場でジュースを出して飲ませてくれる。

よけいなお世話としか思えない。さらに食べ物を捨てるな。だがしかし、作者はこれを『良い奴の描写』として描いているのである。もちろん主人公の女性は彼の優しさに感謝してしまうのである。現実でこういうことをする男がいたら感謝するだろうか。

さらに、空腹の主人公と子供は朝ごはんにベーグルかなんか買ってきて食おうとしたら、またもや彼が『それは体に悪い』とめざとく見つけて、食おうとしていたものをゴミ箱に一気に捨てる! それから、なんと自分でパンをこねて作り始めるのである。

もちろん作者の妄想の世界に生きている主人公の女性は、この彼の行動と焼きたてのパンに感動するのだが、ここにひとつ問題が生じる。

イースト発酵もさせてこない生地をゼロから作り始めたら、おそらく焼き上がりは昼くらいになってしまうのではないか? どうやら、作者は料理好きな主人公に設定をしたのはいいが、自身はほとんど料理を作ったことがないらしい。ちなみに作中では30分くらいで、パンが焼けて食っている。時空を超えたか。

もちろん、主人公の女性はこの彼の行動に怒りもせずに、ますます感動してしまうのである。この世界は、なにかが間違っている。実はこれはフィリップ・K・ディック的な世界観にもとづく高度なSFなのだろうか。

おそらくこれは作者が高齢で(70代)で、ながねんクリスチャン向けの本を量産してきたという特殊性が原因なのではないか。保守的な人間の男女観の悪い部分が出ていると思う。お年寄りが考える男らしさと女らしさという奴だな。

しかし、キリスト教の教会が地域のコミュニティになっているということや、キリスト教会にもいろんな種類があるのがわかるというクリスチャンの内幕はおもしかった。

この引っかかる部分を気にしなければ、ほどほどおもしろいとは思う。でも、食物は捨てるな。


内容紹介
抱きしめたくなる名探偵が事件でいっぱいの海辺に登場! 猫ミステリの新シリーズ第1弾

黒猫ジャックとラグドールのクレオの飼い主、ケイトと息子のジェレミーは、遠い親戚が遺した海辺の動物屋敷に引越してきた。問題はもう一人の相続人、ジェイクと同居せねばならないこと。同居生活には問題が目白押しのうえ、近所では殺人事件が起きてジェレミーが容疑者になってしまった! ジャックとクレオは人間たちの大騒ぎに呆れつつも愛らしく彼らを支え、事件解決の手助けまでしてしまう!? 心温まる猫ミステリ。
内容(「BOOK」データベースより)

黒猫ジャックとラグドールのクレオの飼い主、ケイトと息子のジェレミーは、遠い親戚が遺した海辺の動物屋敷に引越してきた。問題はもう一人の相続人、ジェイクと同居せねばならないこと。同居生活には問題が目白押しのうえ、近所では殺人事件が起きてジェレミーが容疑者になってしまった!ジャックとクレオは人間たちの大騒ぎに呆れつつも愛らしく彼らを支え、事件解決の手助けまでしてしまう!?心温まる猫ミステリ。
著者について

1929年アーカンソー州生まれ。全米で最も愛されている作家の一人で、クリスチャン向けの小説を中心にこれまでに200冊以上の本を執筆。2001年にはEdge Of Honorで最も優れたクリスチャン小説に贈られるクリスティ賞を受賞した。ジャックとクレオが活躍するシリーズは本書の他にThe Cat’s PajamasとWhen the Cat’s Awayが2007年に刊行されている。妻とともにアラバマ州ガルフ・ショアズに在住。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

モリス,ギルバート
1929年アーカンソー州生まれ。全米で最も愛されている作家の一人で、クリスチャン向けの小説を中心にこれまでに200冊以上の本を執筆。2001年にはEdge Of Honorで最も優れたクリスチャン小説に贈られるクリスティ賞を受賞した。妻とともにアラバマ州ガルフ・ショアズに在住

羽田/詩津子
お茶の水女子大学英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




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